白い歯というのは性別、年齢問わずみんなが憧れるものだと思います。
歯を白くする方法としてホワイトニングがありますが、ホワイトニングの方法や使われる薬剤に種類があるのはご存じでしょうか。
ホワイトニング方法は知っていても薬剤に種類があることを知らない人は多いと思います。
今回は歯科衛生士歴10年以上で現在も歯科医院に勤務している私がポリリン酸と過酸化水素を使用したホワイトニングについて解説していきたいと思います。
目次
ホワイトニングのポリリン酸と過酸化水素の効果を歯科衛生士が解説

ポリリン酸と過酸化水素について
歯のホワイトニングに使用される成分として主にポリリン酸と過酸化水素があります。
ポリリン酸とは色素を分解する酵素の一つで、食品添加物としても加工食使用されることがある酵素です。
リン酸との結合によってポリリン酸ナトリウムや分割ポリリン酸に成分が変化しますが、バクテリアから哺乳類まで様々な生物の体の中に存在する生体高分子なので安全性の高い成分だといえるでしょう。
更に分割ポリリン酸ナトリウムはステインの除去や着色の沈着防止の効果を持つのと同時に歯周病菌や虫歯の原因菌などにに対して抗菌作用もあるので注目されています。
歯の表面に付着したステインを浮かせて落とすのと同時に着色の再付着を防止するため歯をコーティングしてくれる効果があるということです。
次にホワイトニングでよく使用される過酸化水素についてです。
過酸化水素とは、毒性や副作用がないためよく消毒や殺菌に用いられます。
わかりやすく言うと「オキシドール」として使用される成分です。
また、漂白剤の効果もあるので漂白剤の成分としても使用されています。
濃度によって漂白効果に差は出ますが、この過酸化水素をホワイトニングの薬液として使用することで過酸化水素が歯の内部まで浸透して高い漂白作用が期待できます。
ポリリン酸と過酸化水素のホワイトニング効果と副作用について

ポリリン酸と過酸化水素をホワイトニングに使用した場合、ポリリン酸で歯の汚れを浮かし過酸化水素の漂白効果で白くして再びポリリン酸で着色の再付着を防止するという効果があり、
ホワイトニング中も痛みが出にくく歯に優しく自然でツヤのある白さに仕上げていけるでしょう。
しかし、ポリリン酸を使用することによって過酸化水素の濃度が下がってしまうため1回のホワイトニングで白さや効果を実感しにくい場合が多く、
白さを感じたり理想の白さに近づくためには1回~数回の施術をおすすめします。
(こちらが1度目のホワイトニングで効果を実感しにくい理由です)
また、痛みはかなり出にくいですが100%というわけではありません。
白くなる程度も個人差は他のホワイトニング同様あるということは理解しておいてください。
ポリリン酸を使用したホワイトニングとそうでない場合の違いについて
前にも記述しているようにポリリン酸そのものに漂白の効果は少なく、過酸化水素と一緒に使用することで白さを得られます。
それならば、ポリリン酸を使用しなくてもいいのではないかと思う方もいるかもしれません。
確かにポリリン酸を使用しないホワイトニングの場合はすぐに白さを得られる可能性はありますが、過酸化水素が歯の内部に浸透したとき一時的に歯の水分が抜けて脱水状態になります。
この時に歯がしみる様な痛みを感じる事があります。
そして脱水状態が戻るまでの期間にお茶はタバコ、赤ワインなど色味の強いものを飲食することによって再び着色してしまうので注意が必要となるのです。
また、歯への刺激が大きいので1日にポリリン酸を使用することで脱水状態の歯に対して水分を与えることができ、歯へのダメージが少なくなりホワイトニング中に痛みを感じることはほとんどありません。
そのほかにもポリリン酸のコーティング作用により施術後に飲食の制限もありませんし、ツヤのある歯にしてくれます。
抗菌作用もあるので虫歯予防にも効果的です。
まとめ
いかがでしょうか。
ホワイトニングと言っても使う材料によって効果や歯への負担が違ってきます。
ただとにかくすぐにでも歯を白くしたいということであればポリリン酸を使用しないホワイトニングの方がイメージしている白さを早く実感できる可能性が高いです。
しかし、歯へのダメージやホワイトニング後のことも考えているのであれば白くなるまでに時間が多少かかってもポリリン酸を使用したホワイトニングにすることをおすすめします。
それでもまだホワイトニングに対しての迷いがある方、自分がどんな白さを求めているのかホワイトニングのイメージや効果などの詳細は歯科医院へご相談されてください。
一緒になってどのホワイトニングがあなたに合っているのかを見つけてくれるでしょう。